みなさんの好きなもの、大事なもの、欠かせないものはなんですか?
使い古したら、また買う。
失くしたら、また買う。
似ているものも、また買ってしまう。
誰もが、そういうもののひとつやふたつはあると思います。
今回はエリック・サティの好きだったものにまつわるお話です。
エリック・サティの場合は
「 黒くて丸い山高帽子 」
「 丸い縁なし眼鏡」
「 山羊髭 」
「 黒い傘 」
「 黒いスーツ」
でも彼のおもしろいところは、それが少し過剰なところ。
365日間、
黒いスーツ着て、
黒い傘を持ち、
黒くて丸い山高帽子をかぶり、
丸い縁なし眼鏡をして、
山羊髭をたくわえていたサティ。
「 黒い傘 」は100本以上
「 黒いスーツ」は7着以上
持っていました。
彼がこのようなスタイルになったのは34歳頃。
この頃作曲し、後に彼の代表曲となったのが「ジュ・トゥ・ヴ」。
日本語に訳すと「あなたが欲しい」。
27歳のとき、サティは1歳年上の画家シュザンヌ・ヴァラドンに恋に落ちます。
5ヶ月間の交際の後、破局。
その後は一生独身だったサティ。
しかし、死後、300通近くのヴァラドンあての恋文が発見されました。
ずっとずっとサティの心の中には、彼女がいたのですね。
「好きなものは、ずっと好き」
周りの人たちから変人扱いをされたサティですが、私はその生き方をかっこよく思います。
さて、今回のお話はこれでおしまい。
自分の好きなものたちを眺めながら「ジュ・トゥ・ヴ」を聴くと、 また新たな発見があるかもしれませんね。
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